またも間抜けな邦題発見

Atomik Circus, le retour de James Ba



10月8日に日本で公開になる「エイリアン VS ヴァネッサ・パラディ」という映画。確かにヴァネッサ・パラディは出演してるが、事前に公開されてるストーリーをみると、本人の役で出演しているわけでもないのにこんなタイトルになっている。
原題は「Atomik Circus, le retour de James Bataille」というやつで、昨年フランスで公開されている。公開時にこの映画の存在自体は知っていたのであるが、新居探しやら引っ越しの準備やらで忙しくしていたこともあり、詳細な内容を確認する間もなく、結局劇場には行かずじまいだった。
あらためて予告編なんかをみてみると、なかなかおバカ映画っぽくて、私好みな感じではある。日本の配給映画も無茶な邦題つけるなぁ・・なんて思いながらも、フランスでのタイトルが「Alien vs. Vanessa Paradis」だったら、取る物も取り敢えず劇場に駆けつけてたかもしれない。。
とはいうものの、この2005年に日本でどれだけ”ヴァネッサ・パラディ”が知られているのだろうか。。確かにジョニー・デップの(内縁の? というか、この表現って古い?)嫁さんではあるのだが、ちょっと疑問に感じるところもある。この映画の邦題のぶっ飛び度がどこまで通用するのか、公開後の客の入りでも確認して行きたいところである。


ところで、、私がこのヴァネッサ・パラディを知ったのが、生きるための賢さがちょっと足りない薄幸そうな少女を演じてた映画「白い婚礼」を、15年ぐらい前にヨーロッパを旅行中に偶然みた時だった。当時シャルロット・ゲーンズブールのアルバム「Lemon Incenst」とか映画「なまいきシャルロット」とかでフレンチ・ロリータが復活しつつあった時期である。このヴァネッサ嬢をみたときは「これはシャルロットを超える!」と確信して、彼女のデビューアルバム「マリリン&ジョン」を買いにレコード屋に駆け込んだものだった。。。(当時はまだCDとアナログ盤が半々ぐらいの割合で売られていて、決してCD屋とはいわなかったと思う・・)
それから1年ほどあとにセルジュ・ゲーンズブールのプロデュースでアルバム「ヴァリアシオン」を発表して、いよいよフレンチ・ロリータの王道を歩み始めたかと期待を寄せていたのであるが、レニクラと製作したアルバム「ビー・マイ・ベイビー」あたりになると、成長して大人になってきてしまっていたのか、発言がなんだか強気になってて、すでにロリータとは言えなくなってしまったような感じがしたものだ。それでも日本公演が中止になったときには、購入していたチケットを泣く泣く払い戻した憶えがある。


À tâtonsその後なんとなくヴァネッサ熱が冷めてしまって、彼女のことを映画関係のニュースとかでたまに見かけては「ああ、まだやってるのねぇ」とか思っていたりしたのだが、フランスに来てみてベルギー出身のアクセル・レッドという歌手の存在を知ることになった。この人がどの程度日本で知られているかはわからないが、2002年にルノーとのデュエット曲「Manhattan-kaboul」がフランスで大ヒットして、アクセル・レッドという名前が私の知るところとなった。
「アクセル嬢の声って、ヴァネッサ・パラディに似てるなぁ・・・」なんて思ってたら、それは個人的な思い入れからくるものでもなさそうで、テレビの歌番組なんかに出たアクセル・レッドが、昔のヴァネッサ・パラディのモノマネなんかしてたりする。そんなわけでこのアクセル・レッドの歌を聴くと、ヴァネッサ・パラディをフレンチ・ロリータの後継者だと信じて疑わなかった頃を思い出すのである。


結論:もしフランスの映画会社が同じような内容で、「Atomik Circus, le retour de James Bataille」の二番煎じ企画の映画をアクセル・レッド主演で製作するときは、ぜひタイトルを「Morts Vivants vs. Axelle Red」とか「Axelle Red vs. Predator」にしてほしいと切に願う。そうすれば私が劇場で見逃すこともないだろう。
そうそう、、あしたにでも「Atomik Circus, le retour de James Bataille」のDVD買いにいくことにしよう。

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