Mørke (2005)

Mørke (2005)



前回のと同じく、最近趣味で字幕を作った映画のひとつ。ずいぶん前に観てたんだけども、再度DVDを引っ張りだして字幕に挑戦してみました。デンマーク映画で、サスペンスと言うかスリラーと言うか、まあそんな感じ。。たぶん日本では公開されてないと思います。





事故で身体障害者になったお姉さんから突然一人の男性を紹介され、その男性と結婚したいと報告されます。ずっとそのお姉さんが孤独に生きて来たことに対して負い目を感じている主人公は、少し疑問を持ちながらも姉の結婚の日を迎えますが、そのお姉さんが結婚式の日の夜に自殺。結婚相手が葬式の直後に姿を消し、残していった荷物から主人公が疑惑を持つようになり、その男を見つけ出してみるとまた障害者と結婚することになっていて・・・
しあわせな孤独 (2002) の中で事故により下半身不随になる男を演じたニコライ・リー・コスが、今度は事故で身障者になったお姉さんを気遣う役に。。


基本的にこの物語の中では、《何かを言わない》《言葉が足りない》ことで事件が起こって物語が進んでいるようです。それは物語の最後の方でも登場人物の言葉の中にはっきり言われてますが、考えていることをはっきりと言う人が多い欧米の文化の中では、このようなことが物語になりやすいのかもしれません。逆に日本ではいろいろと言葉をぼかしながら、相手の言いたいことを《感じ取る》のが重要な気もするし、ひょっとしたら日本の映画の中では《何かを言う》ことで事件が起こることが多いのかも。

その辺を考えながら Stupeur et tremblements (2003) を見直してみたら、以前とは違う感覚で観ることができました。このフランス映画の中では、主人公が日本企業の中で《余計な発言》を繰り返して様々なトラブルを抱え込んでしまいます。「本当の日本人になりたい」と言っていたこのベルギー女性が、とんでもないイジメを行う上司の日本人女性に対して『戦場のメリークリスマス』の話を持ちだして、「メタファーを読み取るべきじゃない?」といった時には、すでに上司の日本人よりも日本人らしいことを言ってるんじゃないかと思ってしまいました。



で、話は戻って表題のデンマーク映画の方。タイトルの "Mørke" なんですが、英語で言えば "murk"、「暗闇、ダークネス」みたいな意味になりますかね? この言葉は映画の中に登場するある街だか村だかの名前にもなっていて、「すごい名前の街だなぁ」なんて思っていたら、実際にこの街がデンマークに存在してました。(map:x10.376425y56.3304361) フランスにも "Anus(肛門)" なんていうとんでもない名前の村とかあるし、この辺の欧米人のネーミングのセンスと言うか、すごいなーと思いますよほんと。。


字幕の方はといえば、この物語で意外にキーになってる言葉で、お姉さんの死亡広告に載った "Tak for alt" という言葉の訳にしっくりした日本語が思いつかなくて、いまだにイライラしてます。それともうひとつ。。。結婚式のシーンで出席者が皆で歌う歌がいまいち理解できなくて困ってますわ。デンマーク語わかる人がここを見てるなんて思いませんが、ひょっとしたら誰か教えてくれないかなーなんて淡い期待を寄せながら、以下に歌詞を載っけてみます。前回のもそうなんですが、歌詞ってのは結局 "詩" なので、詩の翻訳ってやっぱり難しい・・・ 如何に自分の日本語力が貧弱なものかを思い知らされます。



det' hammer hammerfedt
nu fester vi om lidt

alle ser vi chancen
for at tab' balancen

for vi er til bryllup
og det er ikke rent fup

grib nu jeres glas
og slå jer løs



det' hammer hammerfedt
nu kysser de om lidt

Julies hjerte banker
kun for søde Anker

de to holder sammen
alt er fryd og gammen

Iøft nu jeres glas
og sig så skål



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