マリアンヌ

Marianne



フランスで生活していて、そのうえ学生の身分だったりすると、やはり最近の反CPE運動を毎日追っていく必要があるのですが、普段からよくお世話になっている「ね式(世界の読み方)ブログ」でル・モンドのサイトに掲載されたマリアンヌ写真の存在を知ることができました。


ボルドーでのデモの様子で、女子学生が共和国の自由の象徴であるマリアンヌに扮しています。「フランスの学生はデモ程度でよくやるよ」とかいう極東からの声が聞こえてきそうですが、現在フランスの多くの大学はバリケードで封鎖されて、モンペリエ第3大学でも毎日のように講堂に学生が集まって集会を開いています。
詳しい反CPE運動の内容はさておき、、、このボルドーの学生さんは、デモで主張を行う際に、主張を声高に叫ぶことに変えて(同時に叫んでもいたのかもしれませんが・・・)、視覚的に最も強烈な印象を残す方法としてマリアンヌの扮装を選んだのでしょう。男性がマリアンヌの扮装をするより、確かに女性がやる方がインパクトがあります。
運良く(?)彼女は女性だったわけで、フランスにおける自由の象徴を効果的に表すことができたわけですが、この扮装を見てふと思ったことがひとつ。これはマリアンヌの扮装というより、ドラクロワの描いたマリアンヌのイメージの扮装ではないか、、ということ。ほかのマリアンヌの肖像を多くみたことがあるわけではありませんが、どうみてもやはりこれはドラクロワでしょう。
ドラクロワがこの絵を描く際に、どのようなマリアンヌの肖像を参考にしたのかは知りませんが、いずれにしてもこれは男性である彼の持つマリアンヌのイメージでしょう。そんなわけで、このボルドーの女子学生は、《男性が持つ女性のイメージ》を女性の立場から見て写し取った、ということになる・・・のかな?
とりあえずはこの《男性が持つ女性のイメージ》を使って表現したことで、よりインパクトを与えることができたのかもしれません。実際にマスコミに写真撮られたわけですから。


まあ明日のフランスの状況はどうだろうかと心配する合間に、こんなことをぼーっと考えていたりしたわけですわ。


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