美人さんを求めて

Jazz_Funk2005-06-21



先日M6*1のZONE INTERDITEという番組で取り上げられた、女性の美についてのルポルタージュをみた。もうだいぶ忘れてきたのでちょっと記録しておこうと思う。


内容はたしかブロンドとか太めの女性とかについてだったと思うが、番組の最後の方で驚愕の事実が明らかにされていた。中国での美容整形事情に関する話だったが、なんと中国では秘書や企業の受付などの募集要項に、身長165cm以上とか、フェミニスト団体から猛抗議を受けそうな条件が多くあるらしいのである。この番組内で言われていた事によると、中国では女性に《欧米人のような容姿》が求められているとのことで、「おまえがいうなよ・・」と言いたくなるような脂性っぽい採用担当のおじさんがインタビューにこたえて、「最近の女の子は西洋人みたいな体型になってきたねぇ〜」とかいいながらデレデレしていたので、たしかにそういうこともあるのだろう。日本でもその傾向は否定できないなぁ・・とか考えながら、またテレビの番組だから極端な例を誇張して伝えているのだろうと続きをみていたら、、、
これぞ中国4千年の秘技! マイケル程度で驚いていてはいけなかった。中国では身長を伸ばす手術が行われているらしい。どのようなものかと言えば、両スネの部分の骨をいったん切断して、骨が接合するするときに、脚の骨に埋め込んだ金属製のギブスで無理矢理力を加えて、1年ぐらいかけて伸ばしてくようである。見るからに痛い! 「オーディション」*2を観て以来の映像から伝わる痛さ。。。さすがに手術直後は痛さで3日間ぐらい眠れずに、食事もとれないとのことだが、それでも多くの若い女の子たちがこの手術を受け、「もう8cm伸びた」とか「私は12cm伸びました」とかうれしそうにしている。まあ中には後遺症がでてしまうこともあるらしく、骨に妙な力が加わったりして痛みが出て歩けなくなる場合もあるらしい。。番組の中では纏足*3との関係を解説されたりしていたのだが・・・


痛みの話はとりあえずおいといて、この身長を伸ばすことが何を目指しているのかと言うと、基本的には美しくなりたいという願望だと思うが、番組の中でもさんざん言われていたように、ここで言われている美しさには西洋化というものが裏に隠れているようである。ナイジェリアとかでは、女性は太っていればいるほど美人さんとしてもてはやされると聞いたことがあるが、これは《太っている=裕福→育ちがいい》ということらしい。要するに、ひとくちに美人さんと言っても、それぞれの時代や文化の中でコードとして機能する部分において、人は美人さんを認識していることだと思われる。そんなわけで、このことからも現代の中国の発展において目指されているものが、発展=西洋化だということが見て取れるのかも。個人的には独自のやり方で発展してきたと思っていた中国なのだが、むりやりな西洋化で骨がきしみださないことを祈るばかり。。しかしこれがひとつの中国的なものと言われれば、確かにそういう気もする。やはり中国文化は奥が深い。。


美人さん論についてはいろんな文献が出版されているようなので、時代や文化に左右されない永遠不滅の美人さんを探し求めるためにも今後ぜひ読んでみたいと思うところ。。。
まあ人造人間好きの私としては、脚の骨に金属製のギブスを埋め込んだ姿に《萌え〜》を感じてたりするのだが・・・そういえばちょっと前に、自らの身体を素材にして、ウエストを30cmぐらいに縮めてたりするアーティストをみたことがあるが、なんて言う名前だったっけかな?


*1:フランスのテレビチャンネル

*2:オーディション [DVD]」(2000)三池崇史監督作品

*3:てん‐そく【×纏足】中国で、女性の足を大きくしないため、子供のときから親指を除く足指を裏側に曲げて布で固く縛り、発育をおさえた風習。唐末ごろに始まり、宋代から流行したが、清末に廃止運動が起こり、清滅亡後消滅した。(「Yahoo!辞書−大辞泉」より)